|
◆規制緩和 ◆グローバル化 ◆社会的責任の要請 ◆情報技術の革新
◆メインバンク制度崩壊 ◆雇用形態の変化 ◆気象の変化
◆法的要請 |
|
 |
 |
近年、CSR(Corporate Social Responsibility-企業の社会的責任)という言葉を頻繁に耳にします。
日本では一般的にCSRという言葉からは、環境や資源の保護をイメージする人が多数を占めているようです。これは間違いではないまでも、それが全てと考えることは大きなリスクとなります。 |
|
日本社会におけるCSRと欧州、米国のそれには発展した背景の違いから意味合いが大きく異なります。欧州では失業問題が深刻になり、企業に対し技能や経験で人を判断せず、あらゆる人に雇用を提供することを要求する目的からCSRが発展しました。一方日本では、企業不祥事や災害時における対策の不備等に企業の社会的責任を追求することから発展しているため、CSR=法令遵守という考えも広がっています。
このような違いから、ここでいうCSRは日本式CSRと理解してください。
【CSRの3つのステップ】
◆ステップ1
まず、最も重要で土台となる柱、それは「健全な経営(運営)」です。CSRの名目で多くの社員をボランティア活動に送ったとしても、自然環境の保護に寄与しても、経営基盤が不安定で倒産の恐れがあるような企業は社会的責任を果たしているとはいえません。企業における社会的責任の根本は「倒産しない」ことです。そのためには法令を遵守し、潜在するリスクを管理することが最も重要であるといえるでしょう。
◆ステップ2
第2ステップは企業存続という大前提の責任を果たしながら、雇用、安全、環境などに対し法規制以上の対応を図ることです。
◆ステップ3
前の2つのステップをクリアして初めて一般的に理解されている「将来の発展と社会問題の改善」に取り組むのです。また、この活動において鍵となるのが「自社の事業を通して活動する」ということです。残念なことに多くの経営者はCSRを宣伝ツールと考え、外見が良いボランティアや植林などを会社のCSR活動として訴えています。自社事業を通しての社会貢献とは、自動車メーカーによるハイブリッド車の開発や資生堂が行っている高齢者への美容セミナーなどが良い例といえます。
多くの企業は企業価値向上を目的にCSR活動に取り組んでいます。企業価値とは何でしょうか?M&Aを目的に様々な算出方法があるようですが、企業価値はステークホルダーが判断するものです。日本市場においてステークホルダーが判断する基準、それは「信用」に他なりません。ステークホルダーから信用を得るには、ステークホルダーが企業に何を望んでいるか?何を期待しているかを十分理解する必要があります。自己主張を優先する企業は、ステークホルダーの期待との間にギャップが生じ、それが信用失墜へと発展する大きなリスクとなってしまいます。 |
|
 |
|
|