リスクマネジメントのさらなる発展に向けて |
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1996年にリスクマネジメント協会は設立されました。日本でのリスクマネジメントの普及と啓発を目的として活動して四半世紀。リスクとは何か、リスクを管理するとはどうあるべきか。会員の皆様とともに学んできました。この間、環境の変化とともに、リスクマネジメントに関する考え方は大きく変化してきました。また、現在も変化しています。例えば、組織でのリスクを考えるとき、経済的な視点で捉えることはもちろんのことですが、ESG、つまり地球環境、社会、そしてガバメントの視点、さらには国連が提唱するSDGs(持続的開発目標)の視点も、すでに避けては通れません。リスクマネジメントはそれだけ広範囲にわたり、総合的・統合的なものになっているのです。 現在、新型コロナウイルスといったパンデミックが世界的に広がっています。これまでの常識を超えたリスクに直面しているのです。組織やビジネスの在り方、そこで働く人たちの働き方が根本から問い直され、ウィズコロナ、アフターコロナという言葉で表されたニューノーマル(新常態)に向けて、日本だけでなく、世界中で考えなければならない事態になっています。こうした事態を受けて、リスクマネジメントもまた新たな局面に直面しているのです。 こういう時であるからこそ、しっかりと現実を見つめ、じっくりと考えて、リスクマネジメントのあるべき方向性を示していくことがリスクマネジメント協会の役割であると考えます。そのためには、これまで会員の皆様と一緒になって協会が培ってきた知的資産を再評価し、その維持・強化に向けて動き出すことが求められます。協会の組織体制、運営、さらにはネットワークを活用した研究なども含めて、先端的なリスクマネジメントに関する学びの場を構築してまいります。 リスクマネジメントはますますグローバルに展開されるようになっています。幸いなことに当協会は世界最大のリスク専門家組織である米国RIMS(the risk management society®.)の日本支部でもあります。これまで以上に、こうしたグローバルな連携を強化、活用することで世界的なリスクマネジメントの動向を押さえつつ、最新のリスクマネジメントについての学び提供するとともに、世界に向けてわれわれの研究成果を発信してまいります。 リスクマネジメント協会のさらなる発展に向けて、会員の皆様のご協力、ご参加をお願い申し上げます。 |
リスクマネジメント協会 |
プロフィール
リスクマネジメント協会 理事長 1953年長野県生まれ。77年一橋大学商学部卒業、82年一橋大学大学院商学研究科博士後期修了。82年明治学院大学経済学部専任講師、助教授を経て、93年教授、2022年名誉教授となり現在に至る。その間、91~93年英国Aston Business School, Aston Universityにて在外研究、2005年仏国Institute d’Etudes Politiques Aix-en Provance客員教授、15年及び17年豪州Queensland University of Technology客員教授を歴任。 業績 |