セミナー
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 10月25日(金)と26日(土)の2日間、秋季セミナーを東京・田町で開催した。

  東京での秋季セミナーは実に9年ぶりとなる。セミナーを始めるにあたり、両日ともりリスクマネジメント協会神田良代表理事と、急きょ来日した米国RIMS・国際開発部のスティーブンVice Presidentより挨拶、今まで以上に積極的にリスクマネジメント協会とRIMSの連携を強化する旨の発言がされた。

 25日の初日は大和総研・研究主幹の河口真理子氏による基調講演『SDGsとリスクマネジメント』でスタート。その後は河口氏と花王ESG活動推進部の金子洋平部長、第一生命DSR推進室の盛田里香室長を交えたパネルディスカッション『SDGsで変化する企業のリスクマネジメント』を実施。SDGsをテーマとした1日となった。持続可能な世界を実現するために国連が提唱する国際目標・SDGs。世界中の国々や企業がその実現に向けて活動し、その動きはますます加速、これに伴い企業の採るべきリスクマネジメントも変化しはじめている。河口氏の基調講演ではその変化のトレンドを解説、その内容を踏まえ、パネルディスカッションでは金子・盛田両氏から、花王および第一生命が実践するSDGs達成の事例とそのポイントについての紹介がなされた。



RIMS国際開発部
Vice President の
スティーブン氏

手前(右)から河口真理子氏、金子洋平氏、盛田里香氏。一番奥はモデレーターのリスクマネジメント協会・浅野睦理事。
 

合掌苑の森氏

駿河台大学の水尾氏
 2日目の26日は合掌苑・森一成理事長のセミナーから始まった。合掌苑はリッツカールトンホテルや元京セラ・稲盛氏のアメーバ経営など、一見すると介護経営とは無縁と思われるような手法を積極的に取り入れている。しかし多くの人材が集まりその定着率も高く、日本経営品質賞・経営革新推進賞を受賞するなど、業態を越えて注目を集めている。その合掌苑の実例紹介は残業時間の削減や高い有給消化率など一般的な介護施設のイメージから程遠く、その実践に参加者からも驚きの声が上がった。
 続いて駿河台大学の水尾順一名誉教授より、いよいよ動き出した内部通報制度の認証制度についての解説がなされた。企業の不祥事は内部通報から明るみになることが多いことが消費者庁の統計からも分かっている。一度明るみになった不祥事はSNSなどの普及により一挙に広まり、ブランドイメージに深刻なダメージを与え、信用回復には高いコストと長い時間を要する。消費者庁の内部通報制度検討会で座長を務めた水尾氏からは、具体的に動き出した認証制度の詳細と、企業が採るべき”リスク対応型経営”についての説明がされた。
 
 当協会も本年4月より新体制に移行、米国RIMSのスティーブン氏に加え、神田良代表理事や浅野睦理事も揃い、新しい船出となる秋季セミナーとなった。

左より浅野理事、スティーブンVice President、リスクマネジメント協会・神田代表理事。