セミナー
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第23回年次大会特別講習・研究発表会タイトル
   

5月20日に開催した第23回年次大会。

昨年に引き続き、今年も明治学院大学・白金キャンパス内の校舎をお借りして行いました。

写真:会場風景
今年の年次大会の新企画は2つ。
1つめは、RISKWORLD2023(アトランタで開催されたRIMSの年次大会)の、神田理事長による参加レポート。そして2つめが、登壇者と直接コミュニケーションが取れるディスカッションタイムでした。
 
このような新しい試みを取り入れての年次大会は、RIMSのジェニファー・サンチャゴ理事長から届いたビデオレターから始まりました。サンチャゴ理事長は、今年の活動方針を『レジリエンス』とすることを表明。RIMSも昨年から集合型の年次大会を復活し、やはり直接“会う”ことの重要性を再認識したとのこと。そこでメンバー同士のコミュニケーションを深められるよう、活動を回復していく意向が伝えられました。
 
次いで行われたのが新企画となるRISKWORLD2023の参加レポート。今回は、法人会員を中心に構成された日本支部代表団を結成して参加、サンチャゴRIMS理事長をはじめとするRIMSの主要メンバーと親睦を深めました。神田理事長からは、その時の様子や、開催されたセッションの傾向、世界的なリスクマネジメントのトレンドなど、興味深いレポートがなされました。 写真:リスクマネジメント協会・神田良理事長
 
基調講演には『エマージング・リスクと対峙する』をテーマに、RAF研究所の大山剛CEOが登壇。日銀時代にリスク管理の高度化を主導していた大山氏からはリスクヒートマップを活用してエマージング・リスクを網羅する手法を解説いただきました。また、米国、欧州、日本、中国の4エリアを取り上げ、GDPや消費者物価指数、株価など様々なデータによる現状分析と今後考えられるリスクの予測についても言及。今後のリスク要素(中国のデータ非公表化傾向や40~50年後のインドの台頭による影響)についても述べられました。 写真:株式会社RAF研究所・大山剛CEO
 
写真:国際大学GLOCOM・小木曽健客員研究員 企業向けセミナー『正しく怖がるインターネット』では、国際大学GLOCOMの小木曽健・客員研究員がSNS上での“炎上”が発生する流れとそのダメージについて解説。提示された炎上事例は最悪の場合とのことでしたが、炎上を起こした本人や、周りの人に与える被害の深刻さはすさまじく、それを未然に防ぐための、シンプルでありながらも核心をついた対処法に多くの参加者が納得しました。
 
介護向けセミナーでは、びわこ学院大学の烏野猛教授に『介護事故をめぐる様々な問題と、リスクヘッジのかけ方について』というテーマでご登壇いただきました。そのキャリアの中で介護事故調査や訴訟支援を数多く経験したことから、実例をからめた対応策の提示は、そのテンポの良い語り口とともに、とても理解しやすく、また現場で実際に起きたトラブルへの対処法は介護のみならず、様々な業態でも参考になる内容でした。 写真:びわこ学院大学・烏野猛教授
 
写真:危機管理広報グループ・鈴木英夫氏 今年度のリスクマネジメント論文で優秀賞を受賞した危機管理広報リスクグループによる研究発表『リスクマネジメントの日米比較』は、保険を切り口として日本と米国の企業のリスクマネジメントに対する捉え方の差異を詳らかにし、そこから日本企業に、より最適なリスクマネジメント手法を探るという意欲的な研究内容で、今後の掘り下げにも期待がかかります。
 
写真:リスクマネジメント論文表彰式
大会最後に行われたリスクマネジメント論文優秀賞の授与式
左からリスクマネジメント協会の神田理事長、危機管理広報グループ・鈴木氏、研究会座長の浅野理事
 
今回のプレゼンテーションは、総じて最新の動向であったり、実践的であったり、刺激的な内容が多く、特にディスカッションタイムでは会場から講演内容はもちろんのこと、日ごろから抱えている疑問点なども活発に質疑され、大変充実した意見交換の場となり、コロナを経て、再び会場で活気のある大会となりました。
 

 【開催概要】
日時: 2023年5月20日(土)
会場: 明治学院大学 白金キャンパス2号館