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【特集】「ビジネスと人権」の現在地

 2013年4月、バングラデシュで複数の縫製工場が入るビルが崩落し、1100人を超す死者を出した。劣悪な労働環境が明らかになるにつれ、発注元であるファッションブランドに対する非難が高まったが、11年が経過したいまも多くの企業がサプライチェーン上の人権問題に直面している。法令による規制のほか、NGOや投資家からも厳しい目が向けられ、実際に改善要請を受けた日本企業もある。対応を誤れば不買運動による売上減少や多額の制裁金、従業員の離反やサプライチェーンからの排除など、企業価値の下落は避けられない。

一方で人権デュー・ディリジェンスにおける現地NGOとの連携や、人権侵害に関する告発や救済の対象をサプライヤーの従業員にまで広げることなどにより、高い評価を受けるケースもある。倫理のみならず経済的な観点からも、「ビジネスと人権」は最重要課題の一つとなった。