最優先課題となった人手不足
情報セキュリティよりも、地政学リスクよりも、いま企業にとって最大の脅威となっているのが人手不足である。働く人がいなければ事業は続けられないという当たり前のことが、ここまで経営を脅かした時代はない。
デロイト トーマツが上場企業を対象に2023年に行った調査では、「人材不足」が優先課題のトップに挙げられた。前年に続く1位で、2位の「原材料・原油価格の高騰」、3位の「サイバー攻撃・ウイルス感染等による情報漏えい」の倍近いスコアを記録した。また、日本商工会議所が全国の中小企業に行った調査でも、7割近くが人手不足の状況にあるとし、そのうち6割以上が「非常に深刻」と回答した。いまや人手不足は、企業規模や地域に関係なく、深刻な経営リスクとなっている。
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