
一般財団法人リスクマネジメント協会としての新たなスタート |
|
1996年設立以来、当リスクマネジメント協会は会員の皆様に支えられ、16年にわたりリスクマネジメントの啓発を目的に活動してまいりました。このたび、これまでの活動のさらなる発展とリスクマネジメント市場における活動拡充を目的に、平成25年4月1日より任意団体から、「一般財団法人」へと移行することを理事会決定いたしました。 これまで当リスクマネジメント協会は、リスクマネジャーの育成、リスクマネジメント情報発信や教育セミナーなど会員のサポートを中心に活動してまいりました。今回の組織変更を機に、リスクマネジメントに係る情報をこれまで以上に一般社会に発信すると共に、リスクマネジメントを組織運営の一部として積極的に取り組もうとしている企業・組織を、実務面においても支援する活動を広げていく所存です。 2011年に発生した東日本大震災以降、多くの企業が事業継続計画設置に取り組んでいます。この状況は、非常に喜ばしいことではありますが、企業の存続を脅かすリスクは災害だけではありません。また、災害に対するリスクマネジメントも、計画書を設置しただけでは実際にリスクが管理できているとはいえません。事業継続計画で最も重要なことは「考える」という作業と「訓練」という行動、そして「準備」です。緊急時対応や事業継続計画では、マニュアルを作成することは重要ですが、それ以上に重要なことはマニュアルを作成するために「考える」という作業です。現場における対応マニュアルは現場担当者が作成しなければ、実践的ではありません。また、これまでの成功事例を検証すると、現場担当者に緊急時における判断基準と判断権限を明確にしている組織が、緊急時において迅速で柔軟な対応ができているとの報告を受けています。 日本企業全般では、財務的リスク管理対策があまり進んでいないと思われます。リスクマネジメントの基本概念は、事件・事故の発生を100%防止することは不可能であり、損失は必ず発生するということ、そしてリスク管理の基本は損失発生の軽減対策と影響の軽減対策であり、財務面に対する影響軽減対策は、組織の存続に直結する重要な課題です。 |
![]() リスクマネジメント協会 |
プロフィール
リスクマネジメント協会 会長 1940年三重県伊勢市生まれ。63年慶応義塾大学商学部卒業、65年同大学大学院商学研究科修士課程単位修了・同大学商学部助手就任、68年同大学大学院商学研究科博士課程単位取得、72年同大学商学部助教授就任、75~76年および83~84年ジョージア州立大学経営大学院訪問研究員、84年同大学商学部教授就任、93年ミネソタ大学経営大学院訪問教授、2000年同大学商学部教授退任・慶應義塾大学名誉教授。その間、明治大学商学部および経営学部・成城大学経済学部・早稲田大学商学部・常磐大学人間科学部および短期大学部兼任講師、日本保険学会理事長を歴任。 現在、慶應義塾大学名誉教授、リスクマネジメント協会会長、RIMS日本支部理事長、ほか多数。 著書:現代保険論入門(中央経済社、1996年) |